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KAT-TUN-楔 -kusabi-[通常盤] 全曲レビュー

今回は2013年発売、KATーTUNの『楔 -kusabi-』を全曲レビューしていきたいと思います。


今回は7曲です(カラオケなし)。


1,楔 -kusabi-
『変身インタビュアーの憂鬱』主題歌。それまでのKATーTUNとは違って落ち着いた印象の曲。それまでは影なら影を、愛なら愛をとどこか一点集中な曲を歌っていたのですが、これは光と影の曖昧さの深みというか、薄暗さを感じる曲で、それだからこそ、気持ちを感じる曲。深く読もうと思っても絶妙な隠し方で真意すら曖昧にぼやかされていて聞いていて若干の恐怖を感じさえする。楔には二つのものを繋ぐきずなとしての意味と、一つのものを二分する意味があります。これはどちらかな。とにかく、光と影の曖昧さ、アイドルの歌う現実って多分こんな感じ。


2,GIMME LUV
スズキ『ソリオ バンディット』CM曲。従来のKATーTUNの曲調。安定感。NMPとかドンエバが好きなら好きだと思います。楔より素直な歌詞で、私はすごく後悔の念を感じます。歌詞も重たければ、音も押せ押せドンドンって感じで疲れる。でも好きな人はすごく好きだと思う。曲としてはかっこいいので。でもなー、なんかありがちなんだよなー。

3,ON & ON
1番遊んでるようで、すごく完成されていて、今までの曲が前説かと思うくらい、完成されている。当時のKATーTUNを歌っているようでそうでないような。歌ってることは青臭いし、グループの年より若い曲なのですが、曲がそれを落ち着かせているし、ボイパが入ることでよりモードな印象に。煽り曲な歌詞なのによくここまで持ってきたなと。とにかくこれは秀逸。

4,FIRE and ICE
GIMME LUVとの差別化が難しい曲。イントロはものすごくかっこいいのに、最終的にあるべきところに収まるという運び・・・。KATーTUNらしいなと思う曲で可もなく不可もなく。結局どの曲歌ってもギターかき鳴らしちゃうところがこの平坦な仕上がりに貢献しているとしか思えない。ただ、ここまで聞いたけど、この頃のKATーTUNに歌わせるには酷な歌詞ばかり。それほどまでに現実は冷たくて4人のKATーTUNとしての想いは強かったんだ。


5,BLESS
感謝の気持ちを別れた人に送る歌。だけど、目の前にはもういないからここで祈るって感じです。切ない想いなのですが、すっきりするというか、後味の良い曲。曲は爽やかで歌詞を上手く魅せてます。雨がテーマにあって、雨音のように弾むような曲が春先から初夏の瑞々しさを表現しているようで、イージーリスニングのような和み。ガラッと今までの流れを変えました。4人の声だからこそ上手くハマった曲だと思います。このアルバムで12を争うぐらいよく出来てる。

6,4U
イントロから素晴らしい。ファンと彼らを歌っているようであり、KATーTUN4人のことを歌っているような曲です。優しい歌です。ありきたりの頑張れを送ってる訳じゃなくて、強い祈るような想いを伝えたいって心からの感謝の曲です。全てを実際の状況と結びつけるのはどうかと思いますが、この曲は、人数がまた1人減ってしまったのは自分の力不足だと各々を責めるメンバーをファンが支えて、なんとかグループとして繋ぎとめたことへの感謝を歌っているとしか思えないんですよね・・・。考察ですが、Real Faceではリアルは手に入れる目に見える形のあるものだったのですが、それよりも大切な気持ちがあるって気づいたようでもあり、KATーTUNはこうしてまた新たなステージに立つのだと、もう大丈夫だと言われているような感じです。シンプルなアレンジがかかっているので歌詞に集中できる曲です。

7,PHOENIX
ああ、これが!KATーTUNだよ!!って曲。自信に満ち溢れてて、俺らこそ至高って顔して歌ってるKATーTUN。今までのKATーTUNの曲調やイメージと重なる部分があって馴染みやすい曲だなぁと思います。ただ歌詞がとても暗い。暗くてなにか深く考えてしまいます。何十回とレビューする為に聴くうちに、この曲は考えずに聴いた方が楽しめるという結果に至る始末。まとめるとどんなに辛いことがあったとしても不死鳥のように何度でも蘇って、悔いなく生きていこうってこと。それを今までのKATーTUNに照らし合わせたりして聴いたら最後です。迷宮からでられません。

というわけで7曲レビューでした。

今までのあれやこれやとこれからのあれやこれやにすべて結びつけて考えるのはただの感想であり、妄想で、書くべきではないのか、一つの解釈として上げようか悩んでいたら相当の時が経っていました。

総評としては良。楔、BLESSなど今までのイメージとは違う曲も、とても素敵な曲なので、がっかりすることはないかと思われます。ただ、歌詞がなんだか匂わせる歌詞というか、取り方によってはこうにもああにも考えられるみたいな曲が多くて、そういう事を考え出すとキリがない曲ばかりでファン泣かせだなぁという印象も。後に発売されるcomeHereの方がライトな曲が多くてこちらは少し聴きにくいなぁと思うところもありますが、曲ひとつひとつは良い曲です。

次は未定です。